FFシリーズの4作目である『ファイナルファンタジーⅣ(以下FFⅣ)』は
色々ゲームが存在する中でも印象が強く残っているゲームの一つです。
32768色というそれまでと次元の違う色数による美麗な新世代のドット絵や
回転縮小拡大と言うグラフィック機能を駆使した新しい演出などは
現在に至るまでグラフィック演出にこだわってきたスクウェア(現スクエニ)
らしいとも確かに言えますが、個人的にその部分には感心はしても
驚きと言う物は余りありませんでした。
そういった映像的なパワーは、スーパーファミコンのローンチタイトルだった
スーパーマリオワールドやF-ZEROでこれ以上なく体験した後でしたからね。
そんなわけで映像面では「うまいなあ」と言う程度の感想しか抱きませんでした。
が、ドラマの魅せ方においては「その手があったかー!」と
かなり本心からビックリと感動をさせられました。
ゲームだからこそ成立する演出というのがあると思い知らされたのです。
それは設定を戦闘するキャラクターの特性や能力に反映させるというものです。
たとえばパーティーに加入するメンバーの一人に「テラ」という
偉大な賢者が登場するのですが、非常に老齢のため
・初期能力は高いもののLVアップしても能力の成長はほぼない。
・というか一部能力に至ってはLVUPごとに下がる。
・「おもいだす」という専用コマンドでランダムに強力な魔法を使う。
・イベントでほとんどの魔法を自由に使えるようになるがMPが低い。
・最強設定の魔法メテオの封印も解けるが最大MPが消費MPに届かず使用不可。
と、偉大な天才が老いたという設定をゲームならではの描き方をしているんです。
そんなわけでゲームでドラマを描くという可能性を大いに感じたタイトルでした。